• Sumiko Glenn

大学の学費負担額のしくみ

もうすぐ夏休みですね。8月の新年度から、新しい大学生活や高校生活を始められるお子様をお持ちのファミリーも多いのではないでしょうか。今回は、早めに知っていることでいろいろ準備を始めることができる、College Financial Aid Planningについてお話したいと思います。

大学の学費の自己負担額はいくらになるのか、グラントや奨学金、学生ローンがどのくらいもらえるのか、を考える上で、まず基本となるのが、FAFSA(the Free Application for Federal Student Aid)です。これは、例えば、今年8月からの新年度2021-2022年度のFAFSAを申請する場合には、2019年の所得税申告書類を使用することになります。FAFSA申請サイトで、必要事項を入力すると、Need Analysis Formulaを使って、その家庭の自己負担額となるEFC(Expected Family Contribution)が計算されます。そして、そのEFCと、大学が提示している学費(授業料の他、寮費や教材費なども含まれます)の差額が、自己負担できない金額、つまり、Financial Needとされ、このFinancial Needに対して、Financial Aid(奨学金、グラント、学生ローンなど)が大学側から提示されることになります。

つまり、このFAFSAのNeed Analysis FormulaでEFC(家庭自己負担額)を計算する際に、どれだけ勘定に入れられてしまう資産の金額を少なくできるか、つまり、資産が少ない=EFC(自己負担額)も少なくなる、というところがすべての基本、ということが理解していただけますと、話がわかりやすくなります。もちろん、実際には、みなさん、いろいろと資産をお持ちなわけですが、College Financial Aid Planningのキモは、資産をどの形で持っていると、FAFSA的に有利なのかを知り、うまくプランする、というところなわけです。


子供の名前の銀行預金がある場合

大学生となるお子様の名前で預金されている資産は、その20%、ご両親名義の資産は、その12%が、資産として計算されます。大学生本人以外の兄弟姉妹の名義の資産は、FAFSA資産計算には含まれません。つまり、学生本人名義の資産は、なるべく親名義にした方が良く(資産計算に含まれる率が、12%と本人名義より低い)、もし、大学生でない兄弟姉妹がいるのであれば、資産をその兄弟姉妹たち名義にすることで、資産計算に含まれないようにすることが可能な場合もある、ということです。


リタイヤメントファンドやペンションから学費を出すのは?

リタイヤメントファンドやペンションは、資産計算に含まれない場合がほとんどです。ですので、リタイヤメントファンドを解約して、そこから学費を出そうとするのは良い考えではありません。せっかく資産としてカウントされていなかったリタイヤメントファンドが、お金を引き出すことで、資産としてカウントされることになってしまい、逆に自己負担金額が増えてしまうことにもなりかねません。(最初にお伝えした、資産が少ない=自己負担が少なくなる、の仕組みですね。)なので、学費の支払いは、まず、銀行口座に入っている現金から、それも、まずは学生本人名義の現金から使っていって資産を減らしていく、という方向性で考えましょう。


リタイヤメントファンドやインシュランスを賢く利用する

前述のように、リタイヤメントファンドは、FAFSAの資産計算に通常含まれません。ですので、限度額までコントリビューションをすることで、ニードベースの資産計算に含まれる資産を減らすことができます。同様に、生命保険(Life Insurance Policy)や課税猶予年金(Tax-deferred Annuity)も通常、ニードベースの資産計算に含まれません。

ただ、学生生活後半などで、もうキャッシュも使い切ってしまい、どうしても学費を払うためにリタイヤメントファンドを解約しなくてはならなくなった場合に、通常であればかかる解約時のペナルティー10%が、Higher Educationつまり大学の学費及び関連費用のため、という理由であれば、ペナルティー免除となる、ということは、覚えておくと良いかと思います。更にAGI(調整総合収入1040 の第11欄の数値)の7.5% を超えた額の医療関係経費支払い、初めて家を購入する為の経費支払い、という理由による解約でも、特定条件にかないますとやはり10%のペナルティーは免除されます。


AGI (Adjusted Gross Income) が、$50,000前後のご家庭

もし、ご両親のAGI(Adjusted Gross Income)が、$50,000前後だったのであれば、できれば、頑張って(?)収入を$50,000以下にしてしまう、というのも一つの方法です。というのも、AGI(Adjusted Gross Income)が$50,000以下の場合、資産を全くFAFSA計算に含めなくてよくなるからです。


Section529 College Saving Planの貯金がある

Section529 College Saving Planにご両親名義で貯金されている資産は、Aid計算にほどんど影響を与えないので、有利です。また、同プランが学生の祖父母名義の場合には、Aid計算に全く影響しません。ただ、学生本人・ご両親以外の方の名義のSection529 College Saving Planから、お金を引き出すと、その時点で学生がお金を貰った、ということでその金額がEFCに影響することになってしまうので、本人・両親以外の方名義のSection529 College Saving Plan貯金を使い始めるのは、大学生活最後の2年くらいまでなるべく先延ばしにする方が良いでしょう。

Section529 College Saving Planへの貯蓄額は、アリゾナ州所得税上(AZ140 のline34)で毎年$2,000まで(夫婦合同申告では$4,000まで)控除することができるなど、税法上の優遇もありますので、賢く利用したいですね。


祖父母が学費を援助してくれる

もし、学生さんの祖父母の方が、学費を援助してくれる、ということであれば、祖父母の方が直接大学に学費を納入してくださるのがベストな方法です。祖父母から、ご両親や学生本人にお金を渡してしまうと、またまたFAFSAでカウントされる資産が増えてしまって、EFC(自己負担金額)が増えてしまいます!または、援助を先に延ばしてもらって、卒業してから、学生ローンとして残っている金額を祖父母の方にペイオフ(全額返済)してもらう、という方法もあります。


両親の資産をFAFSA資産計算に含まなくて良くなるには?

お子様が24歳になれば、独立した、とみなされて、ご両親の資産をFAFSA資産計算に含む必要はなくなります。あとは、お子様が早々と学生結婚された場合ですね。この場合は、独立した、ということになり、ご両親の資産を報告する必要はなくなります。

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