top of page
  • Writer's pictureSumiko Glenn

FBAR海外口座申告について

今回のブログでは、海外口座申告、FBAR(FinCEN Form114)について、わかりやすくQ&A方式で説明したいと思います。


私はFBARを申告する必要がありますか?

アメリカ市民権・アメリカ永住権をお持ちの方、ビザなどのステータスでアメリカに居住している方で、海外にある金融機関の口座のその年の最高残高の合計が$10,000を超えた方は、FBARの申告義務があります。最高金額の合計金額、というところがミソ(?)で、例えば、年末には残高が少なくなっていたけれど、夏の間だけ1か月ほど$10,000以上になっていた、とか、一つ一つの口座に入っている金額は少ないけれど、全部たすと$10,000を超えていた、などの場合は、やはり申告義務が発生してしまうわけです。


日本の生命保険に入っていますが、これも申告するのですか?

はい。FBARの申告対象には、銀行口座(定期・普通)、証券会社の口座、投資信託の口座、キャッシュバリューのある保険(生命保険など)が含まれます。

ちなみに、タンスに隠してある現金(笑)や、不動産は申告対象とはなりません。


利子収入はないので、FBARはしなくていいですか?

利子収入があってもなくても、上述の最高残高条件に合致していれば、FBARを申告する必要があります。FBARには、利子に関する記入欄はなく、残高のみの申告になります。


4月15日のFBAR申告締め切りまでに申告するのを忘れていました!

大丈夫です!FBARの申告締め切りは、特に何の申請もしなくても、自動的に10月15日まで、延長されます。下記のサイトから、ご自分で電子申告することもできますし、Your Tax Mattersで、所得税申告をさせていただいているお客様は、所得税申告と一緒にFBAR申告もさせていただいておりますので、お気軽にお申しつけください。


夫と妻で日本に別々の銀行口座があるのですが?

口座が夫と妻で、全く別々の個人口座である場合、上述したFBAR申告条件に合致するかを、夫婦別個に見ていきます。申告条件に合致する場合は、夫婦それぞれで、FBARを申告する必要があります。もし、銀行口座が夫婦連名の共有口座である場合は、代表申請者(夫婦のどちらか一方)が、Jointly Ownedというところをチェックマークすれば、自動的に配偶者と共有という申請になるので、配偶者が別途申告する必要はありません。


FBAR申告の際の換算率はどうするのですか?

FBARの申告の際には、Treasury's Financial Management Service rateの申告年の年末最後の日(例えば、2020年度のFBAR申告であれば、2020年12月31日)の換算レートが、オフィシャルな換算率となります。換算率を出しているTreasury's Financial Management Serviceのウェブサイトは、下記になります。


ちなみに、2020年度の日本円のオフィシャル換算率は、US$1.00=103.08円です。FBARを申告する際には、残高を、必ず現地単位(日本なら、日本円)で、まず記録し、それから、USドルに正しい換算率を用いて変換してから、申告するようにしてください。そうしておけば、例えば、来年度の残高に変更がなかった場合などは、換算率だけを来年度の換算率に変えて計算し申告することができるので、便利です。(つまり、毎年日本円の残高に変更がなくても、FBAR申告上は、為替による微変動があるということです。)


Form8938というのはFBARと関係あるのですか?

FBAR(FinCEN Form114)は、Bureau of the Department of the Treasury内の、Office of Financial Crimes Enforcement Network (FinCEN)という部署に申告する書類です。FBARは、その部署名にCrimesと入っていることでもわかるように、違法な資金源の追跡や、違法な海外所得の申告漏れの特定を目的として制定されたもので、実は、所得税を申告するIRSとは、全く違う管轄で、電子申告する際もIRSとは全く別なサイトで申告します。

これに対し、Form8938(Statement of Specified Foreign Financial Assets)というのは、所得税申告書類で、IRSに個人所得税申告書類(1040)に載せて提出する、海外資産に関する書類です。


FBARを申告したら、必ずForm8938も申告しないといけませんか?

いいえ。この書類を所得税申告時に申告する必要が出てくる方は、

アメリカ国内在住のUnmarried individual (or married filing separately) の場合:

海外資産の合計額が、年度末に$50,000 以上、または、年度中に $75,000以上あった方。

アメリカ国内在住のMarried individual filing jointlyの場合:

海外資産の合計額が、年度末に$100,000以上、または、年度中に$150,000以上あった方。

となっています。アメリカ国外在住の場合ですと、また金額が変わってきますので、詳しくは、

を、参照してください。



0 comments

Recent Posts

See All
bottom of page